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断熱建材

【速報】内窓の断熱効果を実測で確認してみた!

 今回は「建築材料(3)-内窓の設置と補助申請」で報告した内窓の施工後の断熱効果を速報します。内窓設置の目的は、夏には日射の熱取得を軽減して冷房エネルギーを削減し、冬には断熱性を高めて暖房エネルギーを削減することです。内窓施工後1カ月程度しか経過していませんが、これまで得られたデータを用いて冬季における断熱効果について分析した結果を報告します。

 既報の通り施工した内窓はLIXIL製のLow-E(グリーン)複層ガラスです。カタログによると、この内窓の熱貫流率は1.6(W/m2・K)です。熱貫流率とは窓ガラス等の建材を通して熱が損失する(または取得する)度合を表します。本報告ではこの熱貫流率を用いて内窓と既存の窓を合わせた熱貫流率を推計するとともに、室温と外気温等を計測して室内の断熱性への効果について分析しました。

 まず、分析を行って得た結論を示すと以下の通りです。

(1) 内窓と既存窓を合わせた二重窓の熱貫流率は1.4 W/(m2・K)程度である。施工前の単板ガラスの熱貫流率は6.4 W/(m2・K)であるので、1/4以下に減少した。
(2) 内窓施工後の室内外ガラス面の温度差は2~3倍大きくなり、熱貫流率の改善効果と併せると、内窓の施工によって窓からの貫流熱量は4割以上減少した。
(3) 室温の変化から見た内窓の施工による断熱性の向上は、外気温が低いほど効果が高い。暖房や日射などの熱負荷がない21時から翌朝5時までの平均室温は内窓の施工前に比べて最大で1.6℃程度上昇すると推計された。

 結論の(1)は窓からの熱の流出しやすさ(熱貫流率)は、内窓を設置することで既存の窓の1/4に改善したということです。ただし、窓から流出する熱量(貫流熱量)は室内外ガラス面の温度差と熱貫流率の積として算定されます。

 そのため、内窓の施工前後の室内外ガラス面の温度差を比較すると、施工後のそれが2~3倍(平均2.6)大きくになっていました。そのため、結論の(2)のように、窓からの貫流熱量が施工前に比べて4割程度削減(1-2.6/4)したことが分かりました。

 室内の熱の損失は窓だけでなく他の壁や床、天井からも行われており、それらを総合して断熱性が決まります。結論の(3)はそれらの窓・壁・床・天井からの熱損失を総合化した結果、内窓の施工前に比べて夜間の室温低下が最大(外気温が0℃の時)で1.6℃程度改善したことを意味しています。

 以下では、この結論を導いた分析手法(測定した室内外の温度等とその分析手法)とその測定値を用いた分析内容及び結論について具体的に示します。

内窓の断熱性能と施工状況

(1) 複層ガラスの種類による熱貫流率の相違

 複層ガラスには一般複層ガラスとLow-E複層ガラスがあります。Low-E複層ガラスとは、ガラス面に金属膜を貼って日射熱の透過を減らし、断熱性を高めたものです(図-1参照)。

図-1 複層ガラスのイメージ
出所)経済産業省、省エネルギー小委員会、建築材料等判断基準ワーキンググループ、「サッシ及びガラスに関するとりまとめ」、2014年11月6日

 表-1にLIXIL製の複層ガラスの種類と特徴を示します。LIXIL製品のLow-E複層ガラスのLow-Eの種類はLow-E(クリア)とLow-E(グリーン)があり、この両者の違いは前者の日射熱取得率が若干高いようです。さらにLow-E金属膜の貼る位置(2層のガラスの室内側または室外側)によって異なる製品があります。

表-1 複層ガラスの種類と特徴

Low-E, 色室外側ガラス中空層厚さ
(mm)
室内側ガラス日射熱取得率熱貫流率
(W/m2・K)
一般複層
ガラス
透明3mm4透明3mm0.803.7
80.803.1
120.802.9
160.802.7
Low-E
複層ガラス
クリア
透明3mm4Low-E
(クリア)
0.583.1
80.582.1
120.581.7
160.581.4
Low-E
複層ガラス
グリーン
透明3mm4Low-E
(グリーン)
0.453.1
80.452.1
120.451.6
160.461.4
Low-E
複層ガラス
グリーン
(高遮熱仕様)
Low-E
(グリーン)
4透明3mm 0.403.1
80.392.1
120.391.6 ◎
160.381.4
出所)LIXIL(TOSTEM):窓リフォームカタログ、内窓インプラス、複層ガラス光学性能値、2022年5月

 複層ガラスLow-Eグリーンは室内側のガラスにLow-Eグリーンを貼っており、複層ガラスLow-Eグリーンの高遮熱仕様は、室外側のガラスにLow-Eグリーンを貼っています。Low-Eの種類と貼る位置によって日射熱取得率が大きく変わりますが、熱貫流率はあまり変わっていません。

 2枚のガラスの厚さは全て3mmですが、中空層の厚さが4mmから16mmまであります(カタログには1mm毎の製品の特性値がありますが、ここでは抜粋して記載しています)。中空層厚さにより熱貫流率が異なっており複層ガラスLow-Eグリーンの高遮熱仕様で、中空層12mmは1.6(W/m2・K)ですが、8mmは2.1(W/m2・K)、4mmでは3.1(W/m2・K)と断熱性が低くなっています。

(2) 内窓の施工状況

 内窓の施工前の窓ガラスは3mmの単板ガラスであり、この窓ガラスの内側に窓を設置しました。図-2に示すように、リビングルームと寝室の2つの窓に内窓を設置しています。窓の面積はリビングは約5.6m2、寝室は約3.1m2です。壁全体に占める窓の面積の割合は、リビングは47%、寝室は54%です。窓の面積率が高いことが分かります。

 設置した内窓はLIXIL製のLow-E複層ガラス(グリーン)の高遮熱仕様です。この複層ガラスは室外側が厚さ3mmのLow-E(グリーン)ガラス、中空層12mm、室内側が透明ガラス3mmの構成です。この内窓の熱的性能は前述したように、熱貫流率は1.6(W/m2・K)です。

図-2 リビングと寝室の窓の寸法
写真-2 内窓施工後の状況

内窓の断熱効果の分析方法

(1) 温度の測定箇所と測定方法

 内窓の断熱効果を分析するために、室内外の温度と室内外のガラス面の温度も測定しました。ガラス面の温度を測る目的は、窓ガラスからの貫流熱量を正確に計測するためです。温度を測定した箇所、測定装置、測定(記録)間隔は以下の通りです。

 ●測定箇所
 ①外気温:ベランダ面に置いたダンボール箱の中(上部を開放、風の影響を受けない)
 ②室外側ガラス面:床面からの高さ1m、ガラス面にセンサーを張り付け、外側を紙で覆う
 ③室内側ガラス面:床面からの高さ1m、ガラス面にセンサーを張り付け
 ④室温:窓から1m、床面からの高さ1m

 ●測定装置
 測定装置は表-2に示す温度データロガAD-5326TTを2個使用しています。内蔵温度センサーで室温、外気温を測定し、外部温度センサーでガラス面の温度を測定します。

表-2 温度データロガの仕様(A&D社の温度データロガ)

 項 目   内   容   写  真
メーカー名株式会社エー・アンド・デイ
製品名・型番温度データロガー、AD-5326TT
測定範囲-40.0~90.0℃
測定精度±1.0℃(40℃未満)
±2.0℃(40~69.9℃)
±3.0℃(70℃以上)
センササーミスタ
測定間隔30秒毎
記録間隔1分~12時間の間隔で設定可能
出所)温度ロガAD-5326TT、取扱説明書

 ●測定(記録)間隔:1時間

(2)データの分析方法

 分析の着目点は以下の2点です。

 ① 内窓施工後の窓からの貫流熱量の変化
 ② 内窓施工後の断熱効果による室温への影響

 まず室内外のガラス面の温度を用いて窓からの貫流熱量の分析を行います。窓を貫流する熱量は下式の通り、室内外のガラス面の温度差にガラスの熱貫流率を乗じたものです。この貫流熱量の相違により、窓のみの断熱性能の向上効果を分析することができます。

 単位面積の窓を貫流する熱量=室内外のガラス面の温度差×熱貫流率

 熱貫流率は内窓施工前は単板ガラス(3mm)の熱貫流率を用います。内窓施工後は既存窓と内窓(複層ガラス)を総合した熱貫流率を用います。総合した熱貫流率については、理論に基づいて(3)で計算を行います。

 次に、室温は図-3に示すように窓だけではなく6面の壁と天井・床からの熱貫流(冬の場合は熱損失)と各種の熱負荷の総和によって決まります。夜間時はエアコンや日射などの熱負荷がないため、夜間時に注目すると主として窓と壁等の熱損失のみを考慮することで室温の変動を把握できると想定されます(夜間放射はここでは無視します)。

図-3 冬季・夜間時における部屋の熱貫流(熱損失)

 室内における熱貫流や他の熱負荷の熱収支については、以下で分析していますので参照ください。
   「エアコン(7)-暖房時の室内の熱収支」

 上記で内窓施工前後の貫流熱量が分かりましたので、他の壁、天井・床からの貫流熱量が分かれば室温の推計ができることになります。しかし、それを分析するには隣室の温度やそれぞれの熱貫流率を調べる必要があります。これには時間を要しますので、今回はそれらの分析を行わずより簡易な方法で内窓の断熱効果を分析します。

 具体的には、夜間時の外気温と室温の差を算定し、それと外気温との関係を定量化します。もし、外気温と温度差(室温-外気温)との関係が分かれば、外気温によって室温の予測を行うことができます。その予測した結果を内窓施工前後で比較することで、内窓の断熱効果を分析することにします。

(3)内窓施工前後の窓の熱貫流率

 ここでは、窓の熱貫流率を把握します。表-3に示す通り、内窓の施工前は3mmの単板ガラスでしたので、その熱貫流率は6.4W/(m2・K)です。また、内窓の熱貫流率は製品のカタログには1.6 W/(m2・K)と記載されています(表-1参照)。内窓施工後は既存の窓と内窓の2つの窓があるため(図-4参照)、窓全体の熱貫流率は1.6よりさらに小さくなるはずです。

 そこで、熱貫流率の計算方法に従って既知の熱貫流率からLow-E複層ガラス(グリーン)の熱抵抗を推計します。その計算方法は複層ガラスの熱貫流率1.6 W/(m2・K)からLow-Eガラスの熱抵抗を逆算するものです。表-3の右から2列目に示す通り、その熱抵抗は0.471 (m2・K)/Wと算定されました。

 そして、その結果を用いて施工後の窓ガラス全体の熱貫流率を計算します(表-3の最右欄参照)。既存のガラスと内窓の複層ガラスの間には空気層がありますので、その空気層の熱抵抗を参考文献から非密閉中空層の0.07 (m2・K)/Wと設定しました2)。その結果、窓全体の熱貫流率は1.4W/(m2・K)と計算されました。

表-3 内窓施工後の窓全体の熱貫流率の算定

熱伝導率 λ、
熱伝達率 h
厚さ d
m
①施工前
単板ガラス
②Low-E
複層ガラス
施工後窓ガラス
 ①+②
室外表面熱抵抗 ro=1/ho230.0430.0430.043
ガラス熱抵抗 d/λ 10.0030.0030.003
非密閉中空層の熱抵抗 ra0.07
Low-E複層ガラス(グリーン)の熱抵抗 rg0.4710.471
室内表面熱抵抗 ri=1/hi90.1110.1110.111
熱貫流抵抗Rg=∑(ro+ra+rg+ri+d/λ)0.1570.6250.698
熱貫流率 U=1/Rg W/(m2・K)6.3691.6001.433
注)複層ガラスの熱貫流率(1.6)はLIXILカタログによる。
室外表面熱伝達率ho=23W/(m2・K)、室内表面熱伝達率hi=9W/(m2・K)、ガラスの熱伝導率λ=1.0W/(m・K)、非密閉中空層の熱抵抗ra=0.07W/(m2・K)は参考文献2による。
図-4 内窓施工前後の窓の構成




内窓の断熱効果の分析

(1)温度の測定結果

 測定で得られたデータは内窓施工前26日(2021年11月、12月及び2022年10月のデータ)、内窓施工後27日(2022年11月~12月のデータ)です。内窓施工前は2021年11月と12月のデータを含みます。

 図-5にエアコンを停止した後の21時から5時までの温度変化の一例を示します。左図が内窓の施工前、右図が施工後の測定データで、外気温が比較的類似していた日の測定結果を示しています。赤の実線が室温、赤の破線が室内側ガラス面温度、黒の実線が外気温、黒の破線が室外側ガラス面温度です。

 この結果より、以下のことが分かります。

●外側ガラス面温度(黒破線)は外気温(黒実践)よりも低く、外気温との温度差は2℃以下です。これは風の影響によりガラスの方が冷えること、空気よりガラスの熱伝導率が高いため夜間時に早く冷えるためと考えられます。
●内窓施工前の室外側ガラス面温度(左図、黒破線)と室内側ガラス面温度(左図、赤破線)はほぼ一定の温度差(最大で2℃程度)で同様の変動を示しています。これは3mmのガラス1枚を挟んでの温度であるため、類似した変動を示していると考えられます。
●一方、内窓施工後の室外側ガラス面(右図、黒破線)と室内側ガラス面(右図、赤破線)の温度差は一定ではなくまた4~5℃と大きな開きがあります。室内側ガラスの温度は室外側ガラスの温度よりも室温(右図、赤実線)と同様の動きをしています。室温と室内側ガラスの温度の差はほぼ一定で2~3℃です。
●内窓施工前後の室温(赤実線)と外気温(黒実線)の差を見ると、施工前は4.5℃から6.9℃の範囲(平均5.7℃)であり、施工後は4.8から6.8の範囲(平均5.7℃)で、大きな差はみられません。これは後程示しますが、外気温が比較的高いため(14~17℃)、内窓の断熱効果が出ていないと考えられます。

 次に、室温と外気温の変化に着目して測定データを見てみます。内窓施工前後の同じ日(2021年と2022年の12月5日)の21時から5時までの室温と外気温の変化を表-4と図-6に示します。2022年は2021年よりも外気温が低いのに対して、室温の低下傾向は緩やかです。2021年は朝5時の外気温が17℃に対して、2022年のそれは18℃と1℃の差があります。これは内窓の断熱効果を垣間見ることができるデータです。

表-4  内窓施工前後の室温、外気温の比較

 時 刻 室 温 外気温
2021年2022年2021年2022年
 21:0021.321.58.68.4
 22:0020.120.48.57.9
 23:0019.119.88.97.7
 0:0018.319.38.77.3
 1:0017.918.98.67.0
 2:0017.618.78.56.8
 3:0017.418.48.46.8
 4:0017.218.28.26.9
 5:0017.018.08.26.9
 平 均18.419.28.57.3
注)外気温が類似した2021年と2022年の12月5日の温度データを比較。
図-6 内窓施工前後の外気温による室温の変化

 この1日だけの温度の観察では、内窓の施工による室温への影響を明確にすることができないため、以下では全てのデータを基にその効果を分析することにします。

(2)内窓施工後の貫流熱量の変化

 分析の着目点①に示したように、室内外ガラス面の温度差を基に内窓施工後の貫流熱量の変化を分析します。表-5に内窓の施工前後の室内外ガラス面の温度差から貫流熱量を算定した結果を示します。同表では、外側のガラス面の温度区分毎に貫流熱量を比較しています。

 表-5より、外側ガラス面の温度が低くなるほど、室内外のガラス面の温度差は大きくなる傾向にあります。そして、内窓の施工前は温度差が1.03℃から1.66℃(平均1.28℃)であるのに対して、施工後は2.37℃から5.26℃(平均3.42℃)と大きな値となっています。この室内外のガラス面の温度差にそれぞれの熱貫流率を乗じて算定された貫流熱量を同表に示しています。

表-5 窓ガラスからの貫流熱量の低減効果

外側ガラス面温度室内外ガラス面の温度差(℃)貫流熱量(W/m2
 (℃)施工前 A施工後 BB/A施工前C施工後 DD/C
 14<x≦151.665.263.1810.67.40.696
 15<x≦161.553.442.229.94.80.485
 16<x≦171.123.102.787.14.30.607
 17<x≦181.072.922.746.84.10.599
 18<x≦191.032.372.306.63.30.502
 平  均1.283.422.648.24.80.578
注)熱貫流率は施工前6.4 W/(m2・K)、施工後1.4 W/(m2・K)。
  貫流熱量=室内外ガラス面温度差×熱貫流率

 これらの計算結果から、内窓施工後の貫流熱量は大きく低減していることが分かります。施工前の平均貫流熱量が8.2 W/m2に対して、施工後のそれは4.8 W/m2に減少しています。貫流熱量の施工前後の変化率を計算すると表-5の最右欄となり、その平均は57.8%です。すなわち、内窓の設置により貫流熱量を4割以上低減できたことが分かります。

(3)内窓施工後の室温への影響

 分析の着目点②の窓の断熱効果が室温に与える影響を分析します。ここでは、内窓の効果を日射やエアコンの影響がない21時から翌朝5時にかけての室温の変化について分析します。室温は図-3に示したように部屋の6面からの熱損失によって影響を受けます。したがって、内窓の設置は6面のうちの1面のみの断熱性を改善したに過ぎません。

 外気温と室温の関係を見るために、ここでも外気温と室温の差(室内外温度差)に着目します。室内外の気温差と外気温との関係を見たものが図-7です。横軸は21時から5時までの外気温の平均値、縦軸は同じ時間帯の室内外温度差の平均値です。内窓の施工前後ともに室内外気温差は外気温との関係性が強いと判断できます。この図中には両者の関係性を表す回帰式も示しており、その決定係数はどちらも0.9以上です。

図-7(1) 外気温と室内外温度差の関係(内窓施工前)
図-7(2) 外気温と室内外温度差の関係(内窓施工後)

 この式を使って深夜から早朝にかけての平均外気温による平均室温を推計したものを表-6に示します。表中の欄外にある回帰式を使って外気温別の室内外温度差を推計しています。そして、その外気温と室内外温度差の和を室温として算定し、施工前後の比較を行いました。

 表-6の最右欄に施工前後の差異(施工後室温-施工前室温)を示しています。これを見ると外気温が0℃の時は内窓の施工前後で1.6℃の差、5℃では1.1℃の差、10℃では0.5℃の差でした。このことから、外気温が低いほど内窓施工の断熱効果が大きいことが分かります。

表-6 内窓施工前後の室温の相違(外気温別)

外気温外気温と室温の差 (℃)室温 (℃)施工後の変化
(℃)施工前施工後施工前 A施工後 BB-A(℃)
016.017.716.017.71.6
115.416.916.417.91.5
214.716.116.718.11.4
314.015.317.018.31.3
413.314.517.318.51.2
512.713.717.718.71.1
612.012.918.018.91.0
711.312.118.319.10.8
810.611.318.619.30.7
99.910.618.919.60.6
109.39.819.319.80.5
118.69.019.6200.4
127.98.219.920.20.3
137.27.420.220.40.2
146.56.620.520.60.1
155.95.820.920.80.0
注)外気温と室温との差(y)と外気温(x)の関係式は以下の通り。
 内窓施工前:y = -0.6780x + 16.04
 内窓施工後:y = -0.7892x + 17.66

 前述した2022年10月20日と11月15日の比較(図-5)で室温の気温差が少なかったのは、外気温が14~15℃と比較的高い温度であったためと考えられます。また、2021年と2022年の12月5日を比較した例(図-6)では、外気温が7~8℃であり表-6の室温の差に近い値となっています。

 以上が内窓設置後1カ月程度のデータから得られた分析結果です。まだ、冬季の厳しい寒さにはなっていないので、全てのデータを基に分析すると異なる結果が得られるかもしれません。また、今回は簡易な手法により室温への影響を把握しましたので、より正確な分析を行うことが今後の課題です。さらに、消費電力量への影響などについては、さらなるデータの収集と分析を行う予定です。

<参考文献>
1)LIXIL(TOSTEM):窓リフォームカタログ、内窓インプラス、複層ガラス光学性能値、2022年5月
2)空気調和・衛生工学会:空気調和設備計画設計の実務の知識、オーム社、2017.
3)宇田川光弘、他:建築環境工学-熱環境と空気環境(改訂版)、朝倉書店、2020.