今回は乗用車のライフサイクル全体にわたる二酸化炭素排出量を車種別に比較したいと思います。前回の報告で欧米や中国ではEVの普及に関して、BEV(バッテリーのみの自動車)を中心に施策を展開していることを示しました。一方、日本はHEV(バッテリーとガソリン等の燃料の両方で走る自動車)の普及が進んでおり、BEVやPHEV(HEVで充電が可能な自動車)の普及は進んでいませんでした。
このように、日本は2050年のモビリティの脱炭素化に向けて、他の国と異なるルートで向かおうとしています。電源が脱炭素化を果たした電力を使う場合、BEVの普及は二酸化炭素の排出削減に大きく貢献しますが、そうでない場合は従来型の自動車と変わらない可能性があります。また、日本のメーカーはEVバッテリーの性能の安定性、寿命、そして原料である希少金属の資源供給の継続性を考慮してHEVを選択してきたと思われます。
そこで、EV(全ての電動車を含む)の車種別に二酸化炭素排出量の相違を分析することが必要と考えられました。そして、その分析ではEVの製造、使用、廃棄・リサイクルといったライフサイクル全体にわたって評価することが必要です。また、自動車の使用段階でもそのエネルギーの製造過程での二酸化炭素排出量を考慮する必要があります。
様々な製品やサービスのライフサイクル全体での環境負荷の影響を分析する手法をライフサイクルアセスメント(LCA: Life Cycle Assessment)といいます。そして、環境負荷のうち二酸化炭素排出量を分析する手法をライフサイクルCO2(LC-CO2)といいます。
EVのLC-CO2について文献を調べたところ、欧米の研究者、政策決定者などが中心となって分析をしている事例が数多く見られました。また、メーカーからも消費者に対してEVのLC-CO2の分析結果を提供して、製品購入の参考にさせている事例もありました。
これまでEVに関して燃費を中心に二酸化炭素排出量の傾向を把握してきましたが、今回は特にEVの製造時の二酸化炭素排出量と使用する燃料または電気の製造における二酸化炭素排出量を分析します。EVはバッテリーの製造過程での二酸化炭素排出量が大きな割合を占めるとされており、この点にも注目して整理していきます。
以下では、まずLC-CO2の文献検索によって抽出された論文の分析結果を示し、次にEVの製造過程及び使用するエネルギー(燃料、電気)の製造に関する二酸化炭素排出の傾向を把握します。そして、EVの車種間のライフサイクル全体の二酸化炭素排出の特性を比較します。
LCAによるEVの二酸化炭素排出の評価事例
ライフサイクル アセスメント(LCA)の事例として有名なものはEU委員会が実施した報告書、「LCAによる従来型および代替燃料の自動車の環境影響の特定」(EU委員会気候政策総局、2020年7月13日)です1)。
本報告書は公開されているさまざまな車両のLCAの研究をまとめて自動車のLCA方法論を開発し、2050年までの自動車の二酸化炭素排出量を予測したものです。この調査では、最先端の自動車のLCA方法論によって、車種と燃料の組合せにおけるさまざまな環境への影響(二酸化炭素排出量を含む)を分析しています。
本報告書の特徴は、これまでのLCA研究に関する幅広いサーベイを行っていて、二酸化炭素排出に関する要因の影響を整理していることです。ここでは初めにこの報告書に記載された参考文献を基に、乗用車の二酸化炭素排出に関する要因の影響に関する分析結果を概説します。
参考文献によれば、二酸化炭素排出の時点を製造時、使用時、廃棄・リサイクル時の3つに分類でき、それぞれの過程での影響要因を下図のものと考えることができます。以下では、それぞれの要因の二酸化炭素排出量への影響の分析結果をまとめます。
(1)車種、エネルギー種別
下図はスイスの研究機関が分析した車種別のLC-CO2による分析結果です2)。この分析では燃料別(ガソリン、軽油、天然ガス)のICE(内燃機関自動車)、HEV(ガソリン、軽油)、BEV(供給される電気はスイスとEUの電力)、FCV(水素製造に天然ガスを利用した場合とスイス電力を利用した場合)の二酸化炭素排出量を比較しています。また二酸化炭素排出の要因を、道路の維持管理、車両製造、駆動装置(バッテリーを除く)、燃料電池、駆動バッテリー、燃料・電気の製造、排気ガス、排気以外の排出の8分類別に分析した結果を示しています。
この図より、ライフサイクルの二酸化炭素排出量は、BEVのうちスイス電力を利用したケースが最も小さく、次いでBEVの欧州の電力平均の利用ケース、FCV(スイス電力)の順となっています。ICEとHEVは排気からの二酸化炭素排出量が多くなって低い評価となっています。この研究ではBEVのEVバッテリーの製造時の二酸化炭素排出量(図中の黄色)は少なく評価されています。
この研究では、PHEVの分析はされておらず、ICEとHEVの燃料排気による二酸化炭素排出量があまり変わらないなど、理解しにくい点があります。HEVの燃費はICEのそれに比べて2倍以上の場合もあり(「乗用車(1)-省エネ性能」を参照ください)、最新の燃費データによる分析が必要と考えられます。
(2)車体の重量
次にスペインの研究者により、車両の重量(小型、中型、大型:SUV)別に走行距離当りの二酸化炭素排出量の傾向を分析した結果が下図です3)。重量が重くなると特にガソリン車(HEV含む)の排気ガスからの二酸化炭素排出量が増加しているのが分かります。BEVについては、電力の電源によってその傾向は異なっています。石炭、天然ガスによる発電の二酸化炭素排出量は重量による差が大きくなっているのに対し、風力発電によるものは重量による違いはほとんどありません。
一方、BEVの航続距離100kmと400kmでは車両の製造、電力使用の両方で二酸化炭素排出量が非常に大きな差となっています。また、航続距離400kmのBEVは車両の製造段階における二酸化炭素排出量がICEV、HEV、PHEVよりも大きくなっています。これは、バッテリーの製造における二酸化炭素排出量が大きいためと想定されます。
(3)EVバッテリーの種類と容量
BEVのライフサイクル全体の二酸化炭素排出量は、EVバッテリーの製造時が大きく影響していることが分かりました。下図にEVバッテリー材料(正極)の種別の製造時の二酸化炭素排出量を示します1)。EVバッテリーの素材の違いにより二酸化炭素排出量は異なっており、バッテリー材料5種の平均値は121kg-CO2/kWhです。
もし、BEVのEVバッテリーの容量が60kWhである場合、その製造時に排出される二酸化炭素排出量は7,260kgとなり、非常に大きなものになります。しかし、その値は年々低下傾向がみられます。LFP(リン酸鉄リチウム)の2006年から2020年までの平均値は171kg-CO2/kWhですが、最近のそれは50kg-CO2/kWhを下回っています。今後の開発によりどの程度低下していくかが、EVの脱炭素化に向けての課題です。
LFP: Lithium Iron Phosphate(リン酸鉄リチウム)
LMO: Lithium Manganese Oxide(マンガン酸リチウム)
NCA: Lithium nickel cobalt aluminum oxide(ニッケル・コバルト・アルミニウム酸 リチウム)
NMC: Lithium manganese cobalt oxide(マンガン・コバルト酸リチウム)
出所)European Union Commission: Determining the environmental impacts of conventional and alternatively fuelled vehicles through LCA、2020.7.13
(4)発電の炭素強度
次に、電気の炭素強度(電力の二酸化炭素排出係数)の相違による二酸化炭素排出量の相違を見たものが下図です4)。これはAudi社が公表したもので、中国製EVは主として石炭火力発電所からの電気を使っているため、ICEよりも二酸化炭素排出量が多くなることが説明されています(計算条件は図中にあるように、生涯走行距離20万km、ICEの燃費5.5L/100km=18.2km/L、BEVの電費150Wh/km)。
発電のエネルギー種別の発電量当りの二酸化炭素排出量を分析したものが下図です5)。本研究はアメリカのアルゴンヌ国立研究所がGREETモデル(Greenhouse gases, Regulated Emissions, and Energy use in Transportation Model)を使用して分析した結果です。下図の上段が施設建設時のGHG排出量、下段は施設建設時と運転時(エネルギー製造、使用を含む)の二酸化炭素排出量を示しています。なお、発電方式の略称は下表の通りです。
出所)ANL (Argonne National Laboratory): GREET Model Life-Cycle Analysis Approach – GREET Training Workshop. Argonne National Laboratory (ANL). Retrieved from https://greet.es.anl.gov/files/2012ws_overview.
●C-IGCC: Coal – Integrated Gasification Combined Cycle(石炭ガス化複合発電) ●NGCC: Natural Gas Combined Cycle(天然ガス複合発電) ●N-PWR: Nuclear – Pressurized Water Reactor(加圧水型原子炉) ●N-BWR:Nuclear – Pressurized Water Reactor(沸騰水型原子炉) ●PV:Photovoltaic(太陽光発電) ●CSP:Concentrated Solar Power(太陽熱発電) ●EGS: Enhanced Geothermal System(強化地熱発電) ●HT-Flash:Hydrothermal (Geothermal) power plant with Flash-Steam configuration(フラッシュスチーム方式の水熱発電) ●HT-Binary:Hydrothermal power plant with binary cycle configuration(バイナリーサイクル方式の水熱発電) |
この図から、施設建設時の単位発電量当りの二酸化炭素排出量は、太陽光発電、風力、太陽熱発電、地熱発電で大きいことが分かります。しかし、エネルギーの製造、使用時の燃料からの単位発電量当りの二酸化炭素排出量はそれをはるかに上回るものとなっています(上図)。そのため、石炭火力のそれは1,250g-CO2/kWhに近づいており、石炭ガス化複合発電900g-CO2/kWh以上、天然ガス複合発電も500g-CO2/kWhです。一方、水力、風力発電に加えて大規模施設である原子力発電などは非常に小さな値となっています。これが火力発電の二酸化炭素排出量が多い根拠となっています。
(5)走行距離
次に、ドイツの自動車連盟(ADAC)が分析した乗用車の走行距離の違いによる二酸化炭素排出量の差を下図に示します6)。下図では乗用車の生涯走行距離が5万kmと15万kmの走行距離当りの二酸化炭素排出量を比較しています。この図は生涯走行距離が長いほどBEVの利点が出てくることを示しています。これは、車両製造時の二酸化炭素排出量が走行距離が長くなるほど影響が少なくなるためです。
同様の分析としてVolvo社が公表したガソリン車とBEVとの生涯走行距離による総二酸化炭素排出量の関係を下図に示します7)。Volvo XC40はICEとBEVの2つの車種を販売しており、そのうちBEVの供給する電気を世界平均、EU28か国平均、風力の3種の電源についての比較を示しています。
この図より、BEVの電気の炭素強度を世界平均とした場合は146千km以上走行した時にICEよりも少ない二酸化炭素排出量になります。また、同様に電気をEU28 (EU28か国の平均)とした場合は84千km以上走行した場合、風力発電による電気を使用した場合は47千km以上走行した場合に、ICEより少ない二酸化炭素排出量となることを示しています。なお、XC40は5人乗り、充電当り走行距離484km、電費238Wh/kmの性能を有しています。
(6)廃棄・リサイクルでの排出
リチウムイオン電池(LIB)のリサイクルによるエネルギー消費量、二酸化炭素排出量、環境への影響をバージンLIBの生産と比較したものが下図です8)。下図に示すように、LIBは湿式または乾式のリサイクルプロセスで処理でき、その方法によって大きな差があります。
湿式と乾式を比較すると、電気使用量については湿式はバージンLIBの生産に対して40%となるのに対して、乾式の場合は同程度です。一方、二酸化炭素排出量については、湿式はバージンLIBの生産に対して50%程度、乾式は80%程度の排出でリサイクルできることが分かります。電池の素材となる希少金属の資源枯渇を防ぐために、今後は二酸化炭素排出量が少ないリサイクル方法の開発が望まれます。
LC-CO2による車両種別の二酸化炭素排出量の比較
これまでの様々な研究では、電気の炭素強度、車両の大きさ、EVバッテリーの種類、EVバッテリーの航続距離などが異なるため、統一的な車種間の比較はできませんでした。そこで、これらの条件をある程度固定して比較したIEAの分析の結果を以下に示します9)。
IEAがLC-CO2を行った算定条件をまとめると下表の通りです。下表に示す通り、車両出力は110kW、BEVのバッテリー容量は38kWhと78kWh、PHEVのそれは10.5kWhです。車種別の燃費は表中に示す通りで、電気の炭素強度は世界平均の518g/kWhです。年間走行距離15km、耐用年数10年(バッテリーも同じ)を仮定しています。この条件で算定した結果を下図に示します。
表-1 LC-CO2における車種別の二酸化炭素排出量の算定条件(IEA:2019)
分 類 | 項 目 | 設定値 | 設定根拠 |
---|---|---|---|
車両条件 | 車両出力 | 110kW | |
電池容量 | 電池素材:NMC111 | 現在広く普及している正極の素材 | |
BEV:38kW(航続距離200km) BEV:78kW(航続距離400km) | 平均的な航続距離より算定 | ||
PHEV :10.5kWh(航続距離55km) | 平均的な航続距離より算定 | ||
電池製造CO2原単位 | 75kg-CO2-eq/kWh | 現在のLIBの傾向より | |
エネルギー消費 | 燃費 | ICE:ガソリン換算 6.8 Lge/100 km | ガソリン使用を仮定、WLTP値 |
HEV:5.1 Lge/100 km | ガソリン使用を仮定、WLTP値 | ||
BEV(航続距離200 km):19.0 kWh/100 km(2.1 Lge/100m) | WLTP値(充電ロス5%を含む) | ||
BEV(400 kmレンジ):19.4 kWh/100 km(2.1 Lge/100km) | WLTP値(充電ロス5%を含む) | ||
FCV: 3.7 Lge/100 km | WLTP値 | ||
PHEV:ICEとBEVの燃費を使用、総走行距離の40%をガソリン、60%を電気で走行する | ガソリン使用を仮定、この実用係数はWLTPの規定に準拠(充電ロス5%を含む) | ||
電気の炭素強度 | 518g-CO2-eq/kWh | 2018年の世界平均値、送電・配電システムロスを考慮 | |
水素製造 | 3.2 kg CO2-eq/Lge(天然ガスからの水蒸気メタン改質) | 現在の水素生産の代表的な手法 | |
走行条件 | 年間走行距離 | 15,000km/年 耐用年数内の総走行距離150,000km | |
車両耐用年数 | 10年 | 電池の寿命も同じ耐用年数とする |
Well-to-tank fuel cycle: 燃料または電気の製造過程のCO2
Vehicle cycle – batteries (200 km): EVバッテリー(200km)の製造過程のCO2
Vehicle cycle -assembly, disposal and recycling:車両の製造・廃棄・リサイクルのCO2
Vehicle cycle – components and fluids:車両の構成素材の製造過程のCO2
出所)International Energy Agency (IEA):Global EV Outlook 2019
この分析結果を要約すると以下の通りです。
● 全ての車種において、自動車のライフサイクルにおける燃料に係る二酸化炭素排出量(図中のオレンジと黄色)は、車両製造(素材、バッテリーを含む)・廃棄・リサイクルに係る二酸化炭素排出量(図中の濃紺、水色、緑)を上回っている。
● 自動車の製造・廃棄・リサイクルは、自動車のライフサイクル排出量の18% (ICE)から36% (BEV 200kmとFCV) である。ただし、航続距離400kmのBEVでは、この比率が43%に上昇する。
● 二酸化炭素排出量は、ICE が 35t-CO2、FCVとHEV が 27.5t-CO2 である。BEVとPHEVのそれは、本分析の条件では最も少ないが(約25t-CO2)、BEV は航続距離が長いと若干高くなる可能性がある。
● 航続距離200kmのBEVでは、NMC111を用いたLIB(38kWh)が、車両製造の排出量の3分の1、車両製造と燃料使用の排出量の合計では12%を占める。航続距離が2倍になり電池容量が78kWhになると、LIBは車両製造の排出量の約半分、車両製造と燃料使用の排出量の23%を占める。電池組み立ての特性や電池材料のサプライチェーンが異なるため、電池生産地によって結果が異なる可能性がある。
● ICEとHEVでは、燃料使用時の二酸化炭素排出量が大部分を占める。これらは、効率改善(車両製造時の排出量増加を克服できる場合)と、車載の炭素回収や燃料使用時のCO2排出を補う燃料転換(持続可能なバイオ燃料や合成燃料)などの対策によってのみ削減できる。
● 燃料使用時でゼロエミッションとなるBEVやFCVの場合、2018年の発電の世界平均の炭素強度では、発電における排出量が56〜64%を占めている。発電の炭素強度を下げることで、二酸化炭素排出量を削減することができる。
● この分析結果から、PHEVとBEVでは二酸化炭素排出量はそれほど大きな差異はない。BEVの航続距離を長くするとPHEVを上回り、HEVと同程度になる。これは、電気の炭素強度が現状の世界平均値(518g-CO2/kWh)としているためである。
● BEV の航続距離を、世界平均のICEで達成可能な 600~800km と仮定すると、より大きなバッテリーサイズが必要となり、バッテリーに関わる二酸化炭素排出量がほぼ比例的に増加するため、現在の BEVの二酸化炭素排出量の利点を大幅に削減することになる。BEVの充電当たり航続距離の適正化は、コスト競争力だけでなく、気候変動への影響の観点からも重要である。顧客の利便性を損なわないようにしながら(最適化された高速充電インフラなど)、これに対処することが今後重要となる。
● ICEと比較して、中型BEV(航続距離200km)は2.5万km以上走行した時点から二酸化炭素排出量の削減が始まる(下図)。航続距離の長いBEV(航続距離400km)では、同じ仮定で損益分岐点走行距離は6万kmとなる。また、HEVの損益分岐点走行距離は1万km程度であり、すぐに効果が期待できる。
今回の分析の結果、BEVを中心にモビリティの脱炭素化を図る場合は、電気の脱炭素化とバッテリーの製造時の二酸化炭素排出の低減を実現することが必須の条件であることが分かりました。一方、HEVやPHEVを中心に脱炭素化を図る場合は、燃料の脱炭素化、すなわちバイオ燃料や合成燃料の使用が前提となります。次回はこれらへの課題解決の可能性について検討していく予定です。
<参考文献>
1)European Union Commission: Determining the environmental impacts of conventional and alternatively fuelled vehicles through LCA、2020.7.13
2)PSI/EMPA/ETHZ: Thelma Project: Opportunities and challenges for electric mobility: an interdisciplinary assessment of passenger vehicles. Final report of the THELMA (TecHnology-centered ELectric Mobility Assessment) project in co-operation with the Swiss Competence Center for Energy Research “Efficient technologies and systems for mobility”, 2016.
3)Hofer, J., Simons, A., & Schenler, W. : Multi-Criteria Analysis of Passenger Vehicles Based on Technical, Economic, and Environmental Indicators. EVS 27. Barcelona, Spain: Paul Scherrer Institute, 2013
4)Audi. Modern Vehicle Concepts -Impact On Material Selection and Recycling, Global Automotive Lightweight Materials Conference, London, UK, 2013
5) ANL: GREET Model Life-Cycle Analysis Approach – GREET Training Workshop. Argonne National Laboratory (ANL).
6)ADAC: Life Cycle Assessment of common drive technologies – Conventional drives are far from over, 2018
7)Volvo: Carbon footprint report – Battery electric XC40 Recharge and the XC40 ICE, Catalog
8)Hendrickson, T. K.: Life-cycle implications and supply chain logistics of electric vehicle battery recycling in California. Environmental Research Letters, Volume 10(1), 2015.
9)International Energy Agency (IEA):Global EV Outlook 2019, Securing supplies for an electric future, https://www.iea.org/reports/global-ev-outlook-2019