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需給対策

電力需給逼迫の要因-気温と消費電力量の関係

 2021年度の夏季、冬季においては、電力の需給が逼迫するとの情報が出されていました。特に東京エリア※)の冬季では、電力供給の予備率が目標値である3%を若干上回るだけの厳しい状況であり、その対策も事前に準備していたところでした。

 しかし、2022年1月6日の異常な低気温により、東京エリアでは大きな需給逼迫が起こりました。また、3月16日の福島県沖で起きた最大震度「6強」の地震により1部の火力発電所の稼働が停止したことで、3月22日に電力の需給が逼迫しました。さらに6月下旬からの異常な高気温による需要の増大により再度需給逼迫が生じ、電力の広域融通と政府の度重なる節電要請もあり危機を乗り越えることができました。

 本報告では、これらの電力の需給逼迫に影響を与えている気温の影響を分析します。そして需給逼迫に関しての経過、対策などを取りまとめるともに、節電要請(特に電力需給逼迫注意報)が、節電に寄与しているか否かについても分析してみたいと思います。政府や電力会社からの発表に加えて、電力の送配電事業者が公表している電力需要(=供給)情報を基に、気象要因を加味した節電効果について分析を加えます。

 このような電力の需給逼迫は根本的には電力の供給能力が不足していることが原因です。電力の自由化により効率の悪い火力発電を休止または廃止していること、原発が稼働していないことなど供給側の問題が大きいといえます。供給側の電源手当の問題については、本サイトでは後日改めて整理することとし、今回は需要側での対策に焦点を当てて整理することとします。それはカーボンニュートラルに向けて、需要側の節電は避けて通れない課題だからです。

※)東京エリアとは東京電力パワーグリッドの供給区域のことで、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県(富士川以東)の範囲です。

2022年における東京エリアの電力需給逼迫の概要

 2022年において東京エリアの電力需給が大きく逼迫したのは3回あります。その要因は下に示した通り、それぞれ異なっています。1月6、7日は低気温による暖房需要の増大によるものでした。また、3月22日の要因は3月16日の福島県沖地震発生による発電所停止によるものでした。さらに、6月末は6月としては異常な高気温による冷房需要の増大が要因でした。

 <需給逼迫の要因>
 ●1月6、7日:異常低気温による暖房需要の増大による需給逼迫
 ●3月18~22日:3月16日の福島沖地震発生による発電所停止による電力需給逼迫
 ●6月27~30日:異常高気温による冷房需要の増大による需給逼迫

 このように、3回のうち2回は気温の予想を超える低気温または高気温によるものであり、気温が電力需給に大きな影響を与えていることがわかります。電力の供給側は、これまでの気象条件と電力需要データを基に、10年間における最も厳しい気象条件での電力需要を想定して、供給能力を決定しています。しかし、その想定以上の気象現象が生じていると考えられます。

 また、電力の供給が不足する場合に、電力供給側では広域的な電力の融通体制を構築して対応しています。下図にエリアの電力需要と各エリア間の融通可能量を示しています1)。各エリアではエリア内への電力を供給する送配電事業者が存在し、個別のエリアで電力需給が逼迫した場合には、送配電事業者間で相互に融通することで需給不足を補うことが行われています。

 青で示した西日本と緑で示した東日本では電力の周波数が異なるため、融通するためには周波数変換が必要です。また、エリア間での融通時に直流・交流の変換を行って融通している場合もあります。なお、図中の数値は2016年8月の実績に基づくものであり、現在は異なっています。

出所)資源エネルギー庁:第6回総合資源エネルギー調査会、電力・ガス事業分科会、電力基本政策小委員会、資料6-1、2016年5月25日

 2022年1月から6月までの東京エリアの電力需給逼迫による他のエリアから融通を受けた状況を下表に示します2)。東京電力パワーグリッド(東京エリアの送配電事業者)では過去1月から6月末までに10日、回数にして21回の融通を受けています。

表-1 東京電力パワーグリッドが他の送配電事業者から受けた電力融通の状況

 月日  No.  時 間 融通量(万kW)北海道東北中部北陸関西中国四国九州
1月6日1回目13:30~20:00122
2回目13:30~20:00192
3回目20:00~24:00276
1月7日1回目0:00~9:00 274
2月10日1回目10:00~13:0080
2回目13:00~17:0075.1
3月18日1回目16:00~24:00 94.36
3月22日1回目7:00~16:00 141.78
2回目16:00~24:00 92.74
3月23日1回目0:00~11:00 100
6月27日1回目10:30~20:00 91.21
2回目15:00~20:0086.87
3回目20:00~24:00134.63
6月28日1回目15:00~18:00 96.59
2回目18:00~22:00 109.73
6月29日1回目2:00~18:00115
2回目12:00~14:0055.86
3回目14:00~18:0073.9
4回目18:00~24:0087.64
6月30日1回目7:00~18:00 76.45
2回目18:00~24:00 65.16
注)北海道、東北などのエリア名は、東京電力パワーグリッドが融通を受けた送配電事業者を示す。
出所)東京電力パワーグリッド:公式Webサイト、プレスリリース

 このうち、1月6、7日は1日で最大融通量(276万kW)を受電しています。この時は北海道、東北、中部、関西の送配電事業者からの融通により切り抜けました。3月18日から始まる3月23日までの融通は8社全ての送配電事業者から融通を受けています。そして、6月末の4日間(6月27~30日)に、全部で11回に渡って最大134.63万kWの融通を8社全てから受電しています。

 以下では、これら3回の電力需給逼迫時における、逼迫要因と需要者への節電要請について具体的に見ていきます。

2022年1月6日の電力需給逼迫

 過去4年間の1月の日平均気温の推移を下図に示します。この図から、概ね2℃から12℃の範囲で推移していることが分かりますが、2022年1月6日は0℃であり非常に低温であったことが分かります。

出所)国土交通省、気象庁:過去の気象情報、練馬地点の気象

 冬季の低温時はエアコンの暖房需要が増え、消費電力量が急上昇します。下図に東京エリアの1月上旬の電力需要の推移(1時間毎のデータ)を示します。電力需要は1月6日の16時に最大となり、5,374万kWを記録しました。これは前日の最大電力需要である4,598万kWを776万kWも上回るものでした。

出所)東京電力パワーグリッド:でんき予報、過去の電力使用実績データ

 そのため、東京電力パワーグリッドは3回に渡って融通を要請し、前述したように4エリアの送配電事業者から最大276万kW(1月6日、20:00~24:00)の融通を受けて何とかこの危機を乗り越えました(表-1参照)。

 電力の供給が需要を満たさない場合は電気の周波数が低下し、電気器具が使えなくなることから、自動的に停電地域を設定して需給バランスを保つ方法が取られますが(「冬季の省エネルギーの取り組みの通知」を参照ください)、今回は停電地域は生じなかったようです。

 2022年1月の当初の電力供給の予備率は3.2%と、目標の3%は超えているものの、かなり危険な状況でした。この予備率を計算する根拠として使われているのは、この10年間で「最も厳しい断面」の需要です3)。2022年1月6日はその厳しい断面を超えた気象条件であったと言えるでしょう。

2022年3月22日の電力需給逼迫

 1、2月の電力需給の危機は何とか乗り越えたものの、3月16日に福島県沖の地震の影響により、東北、東京エリアの火力発電所6基(計約330万kW)が停止しました。3月の連休明けの3月22日は特に東日本で気温が低く、電力の暖房需要が大きく増加することが見込まれ、電力需給が極めて厳しい見通しとなったため、3月21日に東京エリアの電力需要に対して節電協力が要請されました4)

 節電の具体的な方法は、「家庭や需要家において、暖房の設定温度を下げる、使っていない部屋の電気を消す、使っていない機器の電源を落とすなど、日常生活に支障のない範囲で節電に協力する」というものでした。3月22日になって、午前中の電力需要が期待したほど節電できていなかったため、経済産業省は再度、一段厳しい節電の要請(14時35分経済産業大臣要請)を行いました。この直後(15時以降)に、節電量が急速に拡大して需給バランスが保たれたとされています。

 その状況を経産省が公表した資料から抜粋して下図に示します。揚水発電を除いた発電実績(供給可能量)は約3700万kWであり、これに各発電所での焚き増し等によって増加した発電実績が黄緑の棒グラフであり、これに水色の棒グラフの揚水発電量を加えたものが発電量の合計となります。

 図の黒太線が需要実績、茶色線が想定需要、黄色線が節電の目標とする需要量です。需要実績は15時までは節電目標を大きく上回り、15時以降節電目標に沿う推移を示しています。このことから、経済産業大臣の要請により大口需要者が節電対策を行ったものとみなされています。

出所)資源エネルギー庁:2022年3月の東日本における電力需給逼迫に係る検証について、2022年3月25日

 節電のための要請内容は下表の通りです。製造業を中心にデマンドリスポンス(DR)を約400軒に要請しているほか、約5,000件の大口需要者(契約電力500kW以上)に節電の依頼を行っています。さらに、自家発の所有企業に対しては増出力の依頼も行っています(なお、表中の節電量についてはこの3月25日時点での推定値であり、今後変わりうるとされています)。

表-2 東電エナジーパートナー(EP)による需要抑制対策について

  対 策 対象件数 調 整 規 模  備  考
デマンドリスポンス(DR) 約400軒最大時30万kW~50万kW、節電見込み:325万kWh、※推定値鉄鋼・化学(電解)・産業ガスなどの素材系メーカー中心
自家発増出力35軒容量(最大ポテンシャル):24万kW、節電見込み:87万kWh、※推定値自動車や食品・飲料、製造業が中心
節電要請約5,000軒節電見込み:540万kWh、※需要家ヒアリング値契約電力500kW以上の需要家
※節電の効果は暫定値であり、今後変わりうる。
注)デマンドリスポンスとは、電力需給逼迫時に電力供給側からの要請を受けて、事前に登録した需要者が使用電力を抑制することを言う。
出所)資源エネルギー庁:2022年3月の東日本における電力需給逼迫に係る検証について、2022年3月25日

 また、資源エネルギー庁では後日のアンケート調査により、どの程度節電ができたかを調査しています。その結果、節電率が0~5%は約3割、6~10%は約1割の回答であり、それ以上の節電率はごく少なかったとのことです(下欄参照)。

 資源エネルギー庁では、3月の電力需給逼迫の検証や今後の施策の参考とするべく、節電対応の個別事例を把握することを目的として、所管団体を通じてアンケートを行い、製造業や小売業等、870社から回答を得た。ただし、具体的な取組内容は、「節電の呼びかけ」「消灯」「暖房の温度調整」といった身近な取組が大宗を占め、各事業者の節電率は0~5%が約3割、6~10%が約1割、それ以上の節電率を達成した事業者は極少数であった(その他は「わからない」又は未回答)。
出所)資源エネルギー庁:2022年3月の東日本における電力需給逼迫に係る検証について、2022年3月25日

2022年6月27日~30日の電力需給逼迫

 2022年6月末の気温の上昇はかつてないほどのレベルとなりました。下図に過去4年間の6月の1日平均気温と最大気温の推移を示します。いずれも2022年の6月の最後の6日間は例年値に対して5℃から10℃程度高いことが分かります。

出所)国土交通省、気象庁:過去の気象情報、練馬地点の気象
出所)国土交通省、気象庁:過去の気象情報、練馬地点の気象

 下図に6月下旬の電力需要の推移を示します。記録的な猛暑により、6⽉27⽇の最⼤電⼒需要は5,254万kW(13時台)となり、それまでの6⽉の最⼤電⼒需要(4,586万kW)より668万kW⾼い異例の⽔準となりました。また、 28⽇、29⽇、30日も最⼤電⼒需要は5,200〜5,500万kWであり、7⽉前半(1〜15⽇)の過去の最⼤電⼒需要と⽐較しても、東⽇本⼤震災後最⼤となりました。

出所)東京電力パワーグリッド:でんき予報、過去の電力使用実績データ

 そのため、東京電力パワーグリッドは広域調整の要請を行い、表-1に示した電力の融通を行いました。この時の融通は北海道から九州まで全国の送配電事業者を対象とする規模の大きな融通でした。経済産業省は6月26日になって6月27日の東京エリアにおいて「電力需給逼迫注意報」を発して、以下のような節電要請を行っています。

 「6月27日の東京エリアの電力需給は16時30分から17時の予備率が3.7%と厳しい見通しとなっており、夕方15時~18時の時間帯は、冷房等を活用いただきつつ、使っていない照明を消すなど無理のない範囲でできる限りの節電をお願いします。」

 翌6月28日も需要者に対して継続して節電を当日、翌日も含めて行うことを要請しています。特に、「太陽光発電の出力が低下し、需要が高水準である15時~20時の時間帯は、特に電力需給が厳しくなることから、冷房等を活用し、熱中症には十分に注意しつつ、できる限りの節電」をお願いしています。この要請は6月30日も引き続き発出され、東京エリアにおいて電力需給の状況が緩和される見通しとなった同日18時に解除されました。

 この6月の節電要請の具体的な対策については経済産業省からの報告はないため、詳細は不明です。しかし、一般の需要者に対してはメディアを通して頻繁に節電のPRが行われていましたので、酷暑の中節電に協力した需要者も多かったのではないかと思われます。

2022年6月末の節電効果の分析

 ここでは、2022年6月27日から30日までの一般の需要者における節電量を推計することとします。そのため、過去の気温と世帯の消費電力量との関係を調べて、気温による消費電力量の推計を行い、節電要請のあった6月末の消費電力量との比較から節電量を把握します。

 具体的には2021年の気温の高い時期(7、8月)の気温と消費電力量の回帰分析を行います(2022年6月末の気温は2021年の7,8月の気温に相当するためです)。消費電力量のデータは小売電気事業者としての東京ガスの顧客データのうち、部屋数4部屋の世帯を対象とします。また、気温は東京練馬地点の気温データのうち1日平均、最大、最低値を対象とします。

 これらの2021年7月と8月のデータセットから、消費電力量と各種気温との相関分析を行った結果を下表に示します。この結果より、平均気温が最も相関が高いことが分かります。

表-3 消費電力量と気温との相関係数

平均気温最大気温最低気温
消費電力量との相関係数0.9270.8760.873
出所)世帯消費電力量:東京ガス、myTOKYOGAS、電気使用量(同部屋数の世帯:4部屋)
気温:国土交通省・気象庁:過去の気象情報、東京・練馬地点の気温

 平均気温と消費電力量の回帰式を作成した結果を図示すると下図の通りです。回帰式の重相関係数は0.8579であり、1%の危険率で統計的に有意でした。この式から平均気温が1℃上昇すると、世帯の消費電力量が0.77kWh/日上昇することが分かります。

出所)世帯消費電力量:東京ガス、myTOKYOGAS、電気使用量(同部屋数の世帯:4部屋)
気温:国土交通省、気象庁:過去の気象情報、東京・練馬地点の気温

 この式を用いて、節電要請を行った2022年6月27日から6月30日までの消費電力量の推計値、実績値、節電率を示すと下表の通りです。この結果より、6月27日の節電率は10%を超えていますが、次第に節電率は小さくなり、節電要請が解除された6月30日は6.3%となっています。このことから、事業者だけでなく一般世帯も節電には協力したものと想定されますが、その効果は次第に低くなっているものと考えられます。

表-4 節電要請があった日の節電率の推計

      項目平均気温電力推計値 A電力実績値 BB/A節電率
  月日(℃)(kWh/日・世帯)(kWh/日・世帯)C (%)100-C(%)
 6月27日29.917.7515.5787.712.3
 6月28日29.917.7516.1891.28.8
 6月29日30.418.1416.7892.57.5
 6月30日31.518.9917.7993.76.3
出所)平均気温:気象庁、過去の気象データ、東京練馬地点の気温
世帯の消費電力量:東京ガス、myTOKYOGAS、電気使用量(同部屋数の世帯:4部屋)

 これはあくまでも統計的な分析によって行った節電率の推計値です。平均気温だけで消費電力量を推計していますが、曜日やイベント(夏休みやお盆等の行事)なども消費電力量に影響するはずですので、この推計だけで十分とは言えません。しかし、この結果からある程度の節電効果が見込まれると結論付けられるのではないかと考えられます。

 次に、節電要請期間中の世帯需要者の時間消費電力量を見たものが下図です。比較の対象として2021年夏の気温が30℃以上(7月から8月の平日のみの5日間)の日の時間消費電力量の平均値を示しています。これを見ると、2021年夏の時間消費電力量に対して、8時過ぎから18時頃までの消費電力量が大きく減少していることが分かります。

出所)東京ガス、myTOKYOGAS、電気使用量(同部屋数の世帯:4部屋)

 比較対象の2021年夏の消費電力が子供たちの夏休み中で日中の需要がやや多いということもあるかもしれませんが、この時間消費電力量から需要者が節電を行ったとみなしても良いように思われます。この時の政府からの節電要請は、前述の通り15時以降の夕方の節電を呼び掛けていましたが、需要者は既に午前中から節電を行っていたことが分かります。

 ところで、この節電の要請期間における電力供給量について、太陽光発電分とそれを除く電力供給量を示したものが下図です(一例として6月27日を示します)。この図を示したのは、太陽光発電は昼間だけの電力供給であり、電力事業者にとっては太陽光発電からの供給がなくなる時間帯が課題であるからです。

出所)東京電力パワーグリッド:でんき予報、エリア需給実績データ

 太陽光発電の電力は上図に示す通り、12時頃をピークに18時ころにはゼロとなっています。太陽光発電の電力供給量は最大で全供給量の26%を占めており、非常に大きな割合となっています。太陽光発電分を除いた電力供給量のピークは16時~19時の範囲であり、節電はこの時間帯に行うことが効果的といえます。しかし、実際の節電は夕食などのために17時台には終了しています。

 夕食時に節電を行うことは需要者にとって生活行動の大きな変更を伴うため非常に難しいものと思われます。この時間帯での節電を行うためには、供給側の意図を需要者に正確に伝える努力をすることと、需要者側でのより徹底した対策が必要となるものと思われます(例えば蓄電池の利用によるピーク時の消費電力の抑制など)。

2022年夏季、冬季の電力の需給見通し

 最後に、電力消費に係る行動の参考にするため、今後の電力の需給見通しについて概略を示します5)6)。下表に示すように、2022年の夏(7月)は、東北・東京・中部エリアで最大需要発生時の予備率が3.1%と2017年度以降で最も厳しい見通しとなっています。

 さらに、2022年12月から2023年3月までの需給見通しは、東京エリアでマイナスとなる最悪の事態(2023年1月、2月)が想定されています。また、全国7エリアで予備率が3%を下回る2023年2月の見通しは、2012年度以降で最も厳しいものとなっています。

表-5 2022年度の夏季・冬季の需給見通し

 月 北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
 7月21.4%3.1%3.8%28.2%
 8月12.5%4.4%22.3%
 9月23.3%5.6%19.7%
 12月12.6%7.8%4.3%45.4%
 1月6.0%3.2%▲0.6%1.3%39.1%
 2月6.1%3.4%▲0.5%2.8%40.8%
 3月10.0%9.4%65.3%
出所)経済産業省:2022年度の電力需給に関する総合対策、電力需給に関する検討会合、2022年6月7 日

 なお、政府は現在7年ぶりに、長期的な節電要請を行っています7)。期間は7月1日~9月30日までであり、目標は定めないとのことです。上記の冬季の需給見通しを踏まえると、冬季においても節電の必要があると思われます。そのため、政府、電力事業者において今後も需給逼迫に備えて各種の対策を実施するとともに、需要者サイドでも節電要請に備えた準備が必要と思われます。

<参考文献>
1)資源エネルギー庁:審議会・研究会、総合資源エネルギー調査会、電力・ガス事業分科会、電力基本政策小委員会、第6回総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電力基本政策小委員会、資料6-1、2016年5月25日
2)東京電力パワーグリッド:プレスリリース、電力融通と節電の依頼
3)資源エネルギー庁:2021年度冬季に向けた電力需給対策について、2021年10月26日(元出所:需給検証報告書)
4)資源エネルギー庁:2022年3月の東日本における電力需給逼迫に係る検証について、2022年3月25日
5)資源エネルギー庁:今冬・今夏の需給・市場の見通しについて、2022年6月24日
6)経済産業省:2022年度の電力需給に関する総合対策、電力需給に関する検討会合、2022年6月7 日
7)資源エネルギー庁:公式Webサイト、省エネルギー政策について、夏季の省エネ・節電にご協力ください、https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/shoene_setsuden/